私は学生時代にサークルで飲食店経営をしていました。これは商店街活性化を目的としており、経営的な業務や現場での接客など、プレイングマネージャーとして立ち回ってきました。この活動から食への興味が湧くのは必然で、食品関係に絞って就活を始めたのは言うまでもありません。とはいえ、世の中には食品会社は膨大にあります。そんな中でも私は名古屋圏でビジネスを展開する地元メーカーを中心的にリサーチ。調べてみると、この地域にも優良なメーカーがたくさんあり、工業的なモノづくり文化だけでなく、食のモノづくり文化も盛んであることがわかりました。
実は私の祖父は、東北で醸造業に携わっており、醸造に関しては私もひときわ興味を持っていたので、結果的にそれがナカモを選んだ決め手になったと思っています。醸造マンの血が私にも流れたということでしょうか。営業という職種に関しては、やはり飲食店経営をしていたことで、人との関わりの楽しさを知っていましたから、就職先でも人との関わりは自分の中では外せない要素として確立されていました。
営業のノウハウをじっくり段階的に学ぶことができる
入社当初は、岐阜エリアの担当でした。ナカモは創業歴が長いので取引先とは長きにわたっておつきあいがあります。ですからまずはルート営業ということで、既存のお客さま先であるスーパーマーケットを中心に訪問。スーパーマーケットは営業中にうかがうことになるので、お相手の担当者の繁忙時間を避ける必要があります。初めは、そのタイミングがうまくつかめず苦労していましたが、繁忙時間が過ぎるのをただ待つのではなく、その間に別の取引先へ出向くなど、ルートを適宜調整するなどして、1度の外出で多くのお客さまとお会いできる計画立てを行うよう努力していました。入社時は客先数を少なく設定してもらえるので、私のように営業のノウハウをじっくり段階的に学ぶことができます。
岐阜エリアの次は、三重、東三河、静岡県西部など、担当エリアが変わっていきました。本社から距離のあるエリアの担当になると、時間の使い方にいっそうシビアになり、効率的に動く術を自ら見出していきました。手ぶらで帰って来るということは論外で、必ず次のビジネスにつながる情報をつかむよう、お客さまとの会話の運び方にも変化が生まれたと感じています。
提案を行ってより商品を購入していただくことが腕の見せどころ
現在私は東日本広域担当ということで関東と東北が営業エリア。数年前の名古屋めしブームの勢いからこれまで以上に東の方にもPRをしていくということですが、まだ東北に関してはナカモの知名度は高くありません。当然、東海圏で交渉するより難易度が上がりますが、そこがおもしろいところだと感じられるようになったのは、私自身の成長と言えます。
ちなみに、訪問するたびに商談になるということもありません。まずは情報抽出が何より重要。お客さまがどの時期にどんな商品を売り場に並べたいかを日々の訪問によってうかがうようにします。例えば冬。鍋の季節ということでスーパーマーケットでは、鍋の特設コーナーが設置され、関連商品が並びます。そういったイベントの情報などを引き出して、納入数を上げていただく交渉に取り組む必要があるのです。また、オリジナルのレシピをこちらでご用意して、食材と合わせて売り場に並べていただくご提案をするなど、こちらから売れる仕掛けを考えるのも一手です。
これまでの営業経験から、多くのエリアにおいて看板商品の「つけてみそかけてみそ」の知名度は高いことがわかりましたので、最初は交渉のステージには上がりやすいと感じました。しかし、ブランド力に頼るだけでは絶対に商品は売れ続けません。積極的な提案を行ってより多くの当社商品を購入していただくことが営業の腕の見せどころであり、課せられたミッションです。